3年A組 -今から皆さんは、人質です-は、前の期の日曜ドラマですが、非常に面白かったです。

今はもう放映されていませんが、hulu(フールー)で視聴可能ですから、テレビでご覧になられていない方は是非ともhulu(フールー)で視聴してみて下さい。面白いですよ。

3年A組 -今から皆さんは、人質です- 超おすすめ!

3年A組 -今から皆さんは、人質です-の見どころ

このドラマはいきなりラストシーンと思われるような場面から始まります。

その衝撃的なラストシーン(と思われるシーン)にすぐさまドラマの世界に引き込まれてしまいます。

 

しかし、このドラマがおもしろいのはそんな小細工だけではありません。

 

上の画像をご覧頂けばおわかりのように「サスペンス/ミステリー」にカテゴライズされています。

つまり、サスペンスやミステリーの要素もあり、そこが楽しめるだけでなく、舞台が高校ですから学園物のおもしろさもあり、それでいて単なる学園の内部だけでなく社会的なテーマに焦点をあてているところが良いですね。

 

しかも、ありえない設定だけにリアリティはあっても現実的ではないため、臭くもなく、過去の学園物にありがちな特別に生徒思いの教師(熱血教師?)によって生徒たちが心を開いていくという内容とも少し違います。むしろ熱血教師をディスる要素も持っているくらいですから。

過去の学園物は3年B組金八先生にしろ、ごくせんにしろ、現実の教師が真似をすれば生徒の心が開けそうな内容であるだけに、それを真似ようとする教師も実際にいたりもしましたが、実際には真似をしたところで生徒が心を開いてくれるなどあるはずもなく、おかしな教師像を作っただけに終わりましたが、今回の3年A組は教師は(というか現実の人は)決して真似のできない内容であり、そしてそこまでしても・・・・・・という結末もまたいいのです。

 

もっとも、ごくせんは個人的に好きですし、ごくせんのように身体を張って生徒を守ることは現実の教師には無理でしょうけど、あの心意気や生徒への想いは真似は可能ですよね。

しかし、その部分を真似したとしても、各自のキャラに合っていなかったり、上っ面の言葉だけ真似をしてみても生徒は意外と簡単に見抜いてしまいますから何も変わらないどころか教師が逆に軽く見られかねません。

 

ですので、舞台は学校ですが、学園ドラマとして考えても(ちなみにウィキペディアでは学園ドラマにカテゴライズされています)今までの学園ドラマと比較して(そして現在放映中の「俺のスカート、どこ行った?」と比較してももちろんのこと)一線を画す非常に秀逸なストーリーのドラマと言えるでしょう。

もちろん、主演の菅田将暉の演技の良さもあってのことではありますが。

 

余談ですが「俺のスカート、どこ行った?」は個人的に好きではありません。当たり前のことを名言っぽく語り、意味不明な言動を型破りとする、それでいてなぜかそんな教師に生徒たちが懐くなんてご都合主義もいいところ。

 

話を戻して、それと続編の制作をまったく考慮していないストーリー展開も潔くて気持ちがいいですね。

このドラマはその内容上、続編の制作は不可能です。あるとしてもスピンオフか、無理やり作ったとして生徒の誰かが教師になって柊一颯(菅田将暉が演じた教師)の意思を継ぐという感じでしょう。まあ、いずれも無理がありますね。

 

個人的には、過去の学園ドラマではありえなかった教師と生徒の乱闘が見どころだと思います。(理由は後述)

特に体罰に対して非常に厳しくなった昨今、昔でさえもありえなかった教師の体罰ではなく暴力の描写が嫌味なく自然に描かれているのも素晴らしいと思います。

3年A組 -今から皆さんは、人質です-のキャスト

菅田将暉
永野芽郁
片寄涼太
川栄李奈
上白石萌歌
萩原利久
今田美桜
福原遥
神尾楓珠
鈴木仁
望月歩
堀田真由
富田望生
佐久本宝
古川毅
土村芳
矢島健一
大友康平
田辺誠一
椎名桔平
hulu(フールー)より引用

主要なキャストだけでも上記の通りです。かなり豪華なキャストですね。

しかし、俳優の力や知名度だけに頼ったドラマではありません。
たしかに今回も菅田将暉の演技は良かったですが、それを差し引いても面白いドラマです。

永野芽郁もQUの末っ子役CMくらいでしか印象がありませんでしたが(失礼ですね。笑)、今回はいい役どころをこなしていました。

3年A組 -今から皆さんは、人質です-のネタバレを含む感想

感想を述べようと思うとどうしてもネタバレ無しでは語れませんから、ここから先はネタバレを含んでしまいます。

ですから、3年A組 -今から皆さんは、人質です-をまだご覧になられていない方は以下はお読みにならないほうが良いかと思います。

設定の秀逸さ

菅田将暉が演じる柊一颯(ひいらぎ いぶき)、愛称「ブッキー」が校舎を爆破するわ生徒を人質に捕るわでめちゃくちゃな始まり方をしますが、そんな無茶なストーリー展開でもリアリティを感じてしまうのは設定の秀逸さにあると思います。

 

柊一颯がガンによっていかに余命わずかと言えども、今回の展開はあまりに無茶ですが、これが単に教師として生徒のためにという理由だけの熱血教師だとしたら、このドラマはここまでの面白味はなかったでしょう。

逆にガンでなかったとしても柊一颯は同じことをしたのではないかと思うような設定になっているところが見事です。

 

また、前述の通り、ドラマの前半では教師である柊一颯と教え子の生徒との喧嘩シーンが結構あります。

体罰でさえ厳禁である昨今(昔は結構ふつうに体罰はあったんですけどね)、こんなシーンを持ってくる意外性にも脱帽でした。

そして、「美術教師の柊一颯が、こんなに強いわけないじゃん!」というツッコミもできない設定もまた秀逸です。

 

お断りしておきますが、私は体罰を擁護するつもりはまったくありません。

 

教師による暴力など許されるはずもないと思っています。

しかし、その昔、教師から体罰もかなり受け、さらには落ちこぼれ扱いされた私としては、どちらが傷ついたかと言えば、その場の痛みの体罰よりも蔑むあの目と言動のほうがずっと傷つきました。

だから場合によっては体罰も止む無しということではなく、体罰という手段を失った教師たちが物理的な暴力ではない言動という柊一颯の言う所の「悪意に塗れたナイフ」でより深く傷つけることが無いようにして欲しいと願うばかりです。

 

言葉は録音すれば証拠が残りますが、あの人を蔑み差別する眼差しは感じるものなのでたぶん録画しても証拠として残らないでしょう。そのような証拠も残らない教師による暴力が増えてしまわないことを願います。

また、私はそもそも体罰という言葉が嫌いです。

 

体罰とは罰である以上、その前提として生徒に罪があることを暗示しますが、昨今問題になる体罰では生徒に何の罪があったと言うのでしょうか。それを「体罰」などと呼んで欲しくないですね。

 

話がまたそれてしまいましたので話を戻しますが、柊一颯があれだけの想いであそこまでのことをしたにもかかわらず、世間は何もたいして変わらないというエンディングがまたリアルでいいですね。

現実はそんなものなのでしょう。

実際、3年A組 -今から皆さんは、人質です-の最終話終了後にhulu(フールー)への誘導があったため、「またか」という文句や、いざhuluへアクセスしてみるとアクセスが多すぎて繋がらないことがあったりでネット上で炎上していましたが、炎上した理由は柊一颯の言動に感動したからではないのでしょうか。

それにもかかわらず、炎上させている人たちに柊一颯の言葉は届いていないわけですよね。

 

面白い現象ですが笑えません。

 

今回のドラマ3年A組 -今から皆さんは、人質です-では、菅田将暉演じる柊一颯が曖昧な情報に踊らされて人を誹謗中傷することに苦言を呈していますが、仮に間違いのない情報だとしても人を誹謗中傷して良いわけではないということを私は思います。

仮に、上白石萌歌の演じた景山澪奈(かげやま れいな)が本当にドーピングをしていたならば、あの誹謗中傷は正当なものだったのでしょうか?

さらに極論すれば、悪意のある殺人者に対してなら誹謗中傷は正当と言えるのでしょうか?

 

あくまでも私個人の意見ですが、いずれの場合も誹謗中傷を正当化する理由にはならないと思っています。

 

いかなる理由があろうと他人を誹謗中傷するのは暴力と同じだと思います。

芥川龍之介『侏儒の言葉』

芥川龍之介の『侏儒の言葉』には以下のような記述があります。

 

輿論は常に私刑であり、私刑はまた常に娯楽である。たとひピストルを用うる代わりに新聞の記事を用いたとしても

 

私はこの言葉は名言だと思います。

悪事などを悪いと嫌悪する気持ちは大事だと思います。それが正義感だから。

しかし、正義感を形にするために武力や暴力を用いればテロですし、言葉にしてもそれは暴力だと思います。

 

そもそも、人が人を裁く権利などあるのでしょうか。

警察や裁判所という制度があるのは社会の秩序を保つためであって、それが最善の策かどうかもいまだ定かではありません。人を裁く権利を一時的に与えられているだけで、ましてや一般人が他人を裁いたり誹謗中傷するのは違うと思います。

 

と、話がかなりそれていますが、こんなことまでも考えさせられるドラマが3年A組 -今から皆さんは、人質です-でした。

個人的には3年A組 -今から皆さんは、人質です-は史上最高の国内ドラマだったと思うのですが、ご覧になられた方はどう思われますか。